川崎眼科

近視治療

近視治療ついて

近視治療には大きく分けて、これから近視が進む学生(もちろん小学校低学年も)に対する近視抑制治療とすでに進行してしまった近視を矯正する治療の二つがあります。

強度近視(-5.00D以上の近視)に一旦なってしまうと、コンタクトレンズや眼鏡などを常時装用する必要があるなど面倒になってしまうだけではありません。強度近視からさらに病的近視にまで進んでしまうと、網膜剥離、緑内障、近視性網膜委縮など視力が著しく損失され、失明の原因ともなります。強度近視にならないように治療することが大切です。当院では強度近視にならないよう治療することを目標としております。

当院では、0.01%低濃度アトロピン点眼やオルソケラトロジーなどを用いて近視進行抑制に取り組んでいます。年齢とともに近視抑制治療効果は薄れてくるとされています。

 

近視抑制治療について

一旦進行した近視を回復させることは困難ですが、仮性近視(調節性近視)の段階であれば生活環境の改善や点眼治療、訓練などで回復する場合があります。早期対応が大切です。
近視が進行し始めるごく早期に治療を行うのが一番効果があります。近視が進んでしまうと近視抑制は困難になってきますので、学校健診で初めて引っかかった時にすぐに近視抑制治療をすべきと考えています。

①ミドリンM点眼+望遠訓練(ワック)

②ミドリンM点眼+ミオピン点眼+望遠訓練(ワック)

③0.01%低濃度アトロピン点眼(保険適用外)

④オルソケラトロジー(保険適用外)

⑤0.01%低濃度アトロピン点眼+オルソケラトロジー併用療法(保険適用外)

※効果は①<②<③<④<⑤ の順番で、⑤がもっとも近視抑制効果が強いと考えられています。

これらの治療の前段階として外でよく遊ぶことをすすめています。スマートフォン、ゲームや勉強等の近見作業が長時間におよぶ学生は近視が進行しやすく、逆にサッカーなどの球技を生活の中心にする学生は近視進行しにくいと考えられています。20分近見作業をすれば5分間遠くを見ましょう。近見作業時は必ず30cm以上離して見ましょう。

 

ミドリンM点眼+望遠訓練(ワック)

日中に望遠訓練(ワック)を使用し、就寝前に点眼することにより、ピントを合わせる毛様体筋を弛緩させて遠くをみているような状態にすることで、仮性近視(調節緊張)を緩和させる作用があります。近見作業やテレビやゲームで負担をかけたときなど、環境要因での近視の進行防止目的にも使用されています。
この点眼薬による治療方法は多くの眼科クリニックで一般的によくおこなわれています。薬により調節力を麻痺させることで毛様体筋の緊張をほぐし、遠くの方を見ているのと同じ状態にします。薬が効いている間は近くの物が見にくくなるため、必ず夜寝る前に点眼します。人によっては、しみる等の刺激感がありますが心配いりません。

回復の程度には個人差がありますが、「環境要因」による近視進行の予防効果も期待できるため、回復が頭打ちになってしまってからも、長期間にわたって行われることがあります。

 

ミドリンM点眼+ミオピン点眼+望遠訓練(ワック)

ミドリンM点眼+望遠訓練(ワック)にピントを合わせる毛様体筋の働きを高める作用のあるミオピンを使用することで、より一層の視力回復が望まれます。

0.01%低濃度アトロピン点眼(保険適用外)

非選択性抗ムスカリン作用をもつアトロピンは、その毛様体弛緩作用による調節の遮断、眼軸長延長の抑制などの作用により、近視の進行を抑制します。

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低濃度アトロピン点眼治療

オルソケラトロジー(保険適用外)

「就寝時に装用して寝るだけで昼間は裸眼で過ごせる」という角膜形状を矯正するコンタクトレンズによる治療方法です。適応条件はありますが、就寝時だけの装用なので目への負担も少なく、手術と違いしばらく装用をやめると元の状態に戻るので安全です。子供の近視抑制治療に幅広く行われています。 22名のオルソケラトロジー装用者、21名の眼鏡装用者について5年間比較経過観察して、オルソケラトロジーグループは眼鏡グループよりも約30%近視進行抑制効果がありました。オルソケラトロジーを始める年齢が若いほど近視抑制効果が高いことがわかりました。
Long-Term Effect of Overnight Orthokeratology on Axial Length Eiongation in Childhood Myopia:A 5-Year Follow-Up Study,Takahiro hiraoka,IOVS.2010,Vol.53,3913-3919

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オルソケラトロジー(就寝時装用コンタクトレンズ近視矯正法)

0.01%低濃度アトロピン点眼+オルソケラトロジー(保険適用外)

0.01%低濃度アトロピン点眼とオルソケラトロジーの併用療法が現状では近視抑制効果が一番高いと考えられています。 オルソケラトロジー単独と0.01%低濃度アトロピン点眼+オルソケラトロジー併用を比べると、0.01%低濃度アトロピン点眼+オルソケラトロジー併用は単独に比べ53%近視進行を抑制することがわかりました。
Additive effects of orthokeratology and atoropine 0.01% ophthalmic solution in slowing axial elongation in children with myopia: first year results,Kinosita NJpn J Ophthalmol.2018 Jul 4.doi: 10.1007/s10384-018-0608-3.[Epub ahead of print]

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低濃度アトロピン点眼治療

オルソケラトロジー(就寝時装用コンタクトレンズ近視矯正法)

近視矯正治療

近視が固まってしまった場合は下記の方法で矯正します。      

   ①眼鏡      

   ②コンタクトレンズ      

   ③オルソケラトロジー(保険適用外)      

   ④ICL(眼内レンズ)(保険適用外)

ICL(眼内コンタクトレンズ)(保険適用外)

近視が固まってしまった場合は下記の方法で矯正します。      

ICLは目の中(虹彩と水晶体の間)にコンタクトレンズを入れることで視力を矯正します。矯正できる度数の幅も広く、強い近視や乱視の方にも適しています。もし、気に入らなければ、ICLを取り出せば元に戻ります。 レーシックに対して、ICLは角膜を削りません。削らないという点と術後近視の度数が変化してもいつでも元に戻せるということです。

詳しくは↓↓

ICL(眼内コンタクトレンズ)

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