川崎眼科

ドライアイ治療(TFOT)

TFOT(Tear Film Oriented Therapy) : 眼表面の断層治療

TFOTとは「Tear Film Oriented Therapy」の略 で、日本語では、「眼表面の層別治療」と略される、ドライアイ治療の新しい考え方です。

当院ではTFOD(Tear Film Oriented Diagnosis)によるBreakupパターンと上皮障害・自覚症状の関係に基づく治療法(TFOT)を行っています。

診察で涙液膜の観察を行います。涙液膜が破れるまでの時間を涙液破壊時間(Tear film breakup time)=BUTと呼び、BUTは通常10秒以上であり、5秒以下だと異常だと判断されます。また、その涙液膜のBreakupパターンによって対応策を決めます。

Breakupパターンは ①Spot break ②Area break ③Line break ④Dimple break ⑤Random break の5パターンがあります。

①Spot break
開瞼直後に類円形に涙液破壊し、角膜の部位として中央より~上方に発生。 膜型ムチンの障害により、角膜表面の水濡れ性低下、乾燥感、眼疲労感、鈍重感を自覚する。

②Area break
開瞼直後に面状に涙液破壊し、角膜の部位としては典型例では全面に発生。 高度の上皮障害により、涙液減少(重症)、乾燥感、羞明、眼疲労感、鈍重感、眼痛、異物感、目が開けづらい、眼脂を自覚する。

③Line break
フルオレセインの上方移動中に線状に涙液破壊し、角膜の部位としては下方に発生。 角結膜下方の上皮障害により、涙液減少(軽症~中等症)、異物感を自覚する。

④Dimple break
フルオレセインの上方移動中に類線状に涙液破壊し、角膜の部位としては中央寄りに発生。 膜型ムチンの障害により、角膜表面の水濡れ性低下、眼疲労感、鈍重感を自覚する。

⑤Random break
フルオレセインの上方移動が終了したのちに不定形に涙液破壊し、角膜の部位としても不定に発生。 油分、水分、分泌型ムチンのいずれかの障害により、涙液蒸発亢進する。

 

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